照明 | 約6分
外観検査で照明選定が重要な理由
検査精度はアルゴリズムだけで決まらず、照明の当て方や反射の制御に大きく左右されます。
画像処理の前に、見える画像をつくる
外観検査では、画像処理やAIの性能だけでなく、そもそも欠陥が画像に写っているかが重要です。傷や打痕が画像上で見えていなければ、どれだけ処理を工夫しても安定した判定は難しくなります。
照明は、欠陥を浮かび上がらせるための重要な要素です。明るくすればよいというものではなく、光の方向、角度、波長、拡散具合を検査対象に合わせて選ぶ必要があります。
傷、打痕、汚れで見え方は変わる
同じワークでも、見たい欠陥によって適した照明は変わります。浅い傷を見たい場合、表面の凹凸を強調する照明が有効なことがあります。汚れや色むらを見たい場合は、色の差が出やすい条件を探します。
打痕や欠けのように形状変化を見たい場合は、影の出方が重要になることがあります。反対に、強すぎる反射が出ると欠陥が隠れてしまうため、光沢面では反射の制御が大切です。
金属、樹脂、メッキ面の難しさ
金属部品やメッキ品は反射が強く、照明の映り込みやハレーションが問題になりやすい対象です。少し角度が変わるだけで見え方が大きく変わるため、照明とカメラの配置を慎重に決めます。
樹脂部品では、色、表面のシボ、透明度、成形条件のばらつきが影響します。AI外観検査を使う場合でも、照明条件が安定していないと、学習画像と現場画像の差が大きくなりやすくなります。
現場環境の影響
実際の製造現場では、周辺光、設備振動、ワークの姿勢、搬送速度、粉じんなどが画像に影響します。評価室でうまく見えた条件が、そのまま現場で安定するとは限りません。
そのため、照明選定では装置内で外乱光を抑えられるか、メンテナンスしやすいか、交換時に再現性があるかも確認します。検査は撮像部だけでなく、運用まで含めて設計する必要があります。
照明選定を後回しにしない
外観検査の相談では、カメラやAIモデルに注目が集まりがちですが、照明が決まらないと安定した画像は得られません。早い段階でワークを撮像し、複数の照明条件を比較することが重要です。
ヒトミビジョンでは、カメラ、レンズ、照明の選定から画像処理、AI、設備連携までを一体で検討します。検査がうまくいかない既存装置でも、照明条件の見直しが改善につながることがあります。
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